まおゆう読了

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★★★★★


毎スレ、読むたびに心震わされておりました・・・。本当におもしろい!!
各キャラクターが本当にその役割の限界にまで到達しているからなんかみんな魅力的なキャラクターに見えるんだよなぁ、おまえらみんなすげぇよ!みたいな。


お話は勇者と魔王が今まさに最後の戦いを始めようとしているところから始まる。だが魔王は勇者に説得する。自分を殺しても世界は平和になりませんよ、と。この世界はどんどん悪くなっていく、だから私と協力してまだ見ぬ新しい世界を、本当の平和を作っていこう!という話ですね。で、本当に普通なら物語であんまりやらないようなちまちましたところから変えていくわけですよ。これがなかなか世界史やら経済学やらなにやら結構勉強になったりしておもしろかったりするのだが。
あとこれずーっと会話(と擬音)だけでお話は進むので非常に読みやすいですね。つーかおもしろくないところなんて一切なかったよ。
ということでおすすめです。読まなきゃ損だぜ?


女騎士「世界の半分。だったな……。答えるよ。確かに魅力的なお誘いだけど半分じゃ、少なすぎる」


大主教「……少ない?」


女騎士「ああ、お断りってことさ」


大主教「貴様……」


女騎士「判らないだろうなッ!好きな人がいるって事が。大事な人を思うと云うことがっ。敬慕、忠節、至誠、そして誓約。騎士の持つ全てがお前には理解できないだろうっ?そして、何よりもこの胸に咲く思いがっ。勇者といると暖かいんだ。まるで春の芝生の昼寝みたいに。雪の日の暖炉の前のうたた寝みたいに。勇者と話すと楽しいんだ。年越し祭りの朝目覚めた子供みたいに。友達と駆け出す草原のようにっ。勇者に微笑まれると嬉しいんだ。この世界で何よりも大事なものに触れたみたいにッ」


大主教「なっ!?」


女騎士「わたしは“世界の全て”を持っているっ!!勇者を思っているから。あいつに微笑んでもらったから。あいつを思い出すだけで。勇者の拗ねた子供みたいな笑顔を思い出すだけで勇者の癖っ毛の黒髪を思い出すだけでっ。この胸には風が吹くんだ。魂の内側に“世界の全て”を感じるんだっ。勇者を思うだけで、わたしは“世界の全て”を簡単に手に入れられる。騎士としたって、1人の女としてだって。そんなわたしに、たった“半分”で褒美を語るなんてお前みたいに貧しい大魔王は願い下げだっ!!」


大主教「……っ!」


女騎士「わたしがこの思いを失わない限り。“世界の全て”がわたしの味方。滅びろ、化物ッ!!」

泣いたね・・・女騎士最高過ぎる。